「経営戦略考−日経記事から毎日学ぶ経営戦略の原理原則」
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2003年2月14日 通巻905号

部品生産 国際化の要に
> 「正解」を設けてチェックの精度をチェックする

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■■■   部品生産 国際化の要に
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━━━━━━━━━━━━━━ 日経産業新聞 2003.2.14【6面】━

◆三菱電機のカーエレクトロニクス・電装品の生産拠点、姫路製作
所(兵庫県姫路市)は「30年以上、黒字経営」(森下暸所長)とい
う優良拠点だ。

◆野間口有社長も一目置く効率運営を支えるのは、コスト削減努力
を引き出す仕組みと、グローバル化推進の2つ。ともに全社が取り
組むべきテーマといえる。(中略)

◆コスト意識の浸透は工場内の設備にも表れる。新技術に対応する
ため先端的な機械の導入には前向きだが、使い回しがきく汎用的な
機械はとことん使う。20年前の設備も珍しくなく、なかには30年利
用が続く設備もある。償却済みの機械の活用がコスト競争力の向上
に一役買う。(中略)

◆コスト管理手法と並んで姫路を特徴づけるのが事業のグローバル
化の要となっている点だ。カーエレクトロニクス関連の海外生産拠
点は現在12カ所。中国やチェコ、ブラジルなど新興市場にも急速に
足場を築く。(中略)

◆「当面のグローバル体制は整った」と森下所長は指摘するが、一
方で「姫路が力を持たなければ海外拠点の力もつかない」と気を引
き締める。

◆例えば同社が世界で65%のシェアを持つ電動パワーステアリング
システム。約50メートルあるモーター生産ラインの終わり近くに、
モーターを直に耳に当て品質をチェックする工程がある。微妙な振
動や音の異常を発見する職人芸の領域だ。

◆「時々わざと不良品を混ぜ、チェック体制に問題がないか確認し
ている」と、松井宏生産技術部長は打ち明ける。(中略)

◆海外生産品も開発はすべて姫路が手掛ける。姫路はマザー工場と
して各国・地域の人件費水準を調査、把握。各拠点に最適な人員配
置、生産システムを検討し、導入を指揮する。

◆野間口社長は「生産をすべて海外に移せばリスクがある。いざと
いうときに優れた製品を作れるのは日本」というのが持論。日本を
司令塔とするもの作りはどうあるべきか。世界的に需要が底堅い自
動車市場を相手にする恵まれた面もあるが、姫路が三菱電機にとっ
てひとつのモデルであることは確かだ。(村山恵一)

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■■■   「正解」を設けてチェックの精度をチェックする
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 経営戦略考コメント ━

●生産拠点がどんどん海外に移転していく中、日本の国内工場の果
たすべき役割は何か。今回の記事にあるように、グローバルなレベ
ルでの司令塔(マザー工場)として機能するといったのも一つのあ
り方だろう。

●今回の記事中で興味を引かれたのは「時々わざと不良品を混ぜ、
チェック体制に問題がないか確認している」という記述。チェック
の精度を知るための手法だ。品質チェックはどの企業でもやってい
るだろうが、品質チェックの精度をチェックすることまでやらなく
ては十分ではない。

●経営の現場は「正解」がないとよく言われるが、わざと不良品を
混ぜることで、それを見つけ出すという「正解」を意図的につくっ
ておく。そうすることで、品質チェックの精度をチェックするわけ
だ。

●「正解」とは「基準」と言い換えることもできる。仕事の質を確
保するためには、「基準」を明確にしておくことが欠かせない。ま
た、ラインに不良品を流してはいけないというのが「常識」なのだ
から、逆転の発想とも言えるだろう。

●わざと不良品を混ぜてチェック体制を確認するという手法、私も
以前の勤務先で使ったことがある。文書の校正を依頼する際、わざ
と誤植を残したままにしておき、それが校正されたかどうかをチェッ
クする。校正されていなければ、やり直しだ。

●不良品をわざと流すというのは、品質チェックが済んだものを流
すということだ。事前に結果(すなわち「正解」)がわかっている
サンプルを流すことにより、キチンと仕事が行なわれたかどうかを
確認することができる。この手法は他へも応用が可能だ。

●例えば、これも以前に経験があるのだが、DM発送代行会社に仕
事を依頼した際、送付先名簿に自分の友人の名前を入れておく。本
当に友人のもとにDMが届いたか、そしていつ届いたかを確認する。
その友人のもとにキチンとDMが届くことが「正解」だ。

●あるいは、自分の情報がどのように流用されているかを知るため
に、どこかに自分の情報を登録する際は、住所や氏名の表記に特徴
をつけておく。登録した先以外から、その表記でDM等が届けば、
そこから情報が流れたとわかる。届かないことが「正解」だろう。

●いずれにせよ、「正解」がわかる状況をつくり出して物事を確認
する仕組みをつくっておくのは賢明だ。今回の記事の事例から、自
社ではどのようなことができるか、考えてみるのがよいだろう。

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■■■ 今日の教訓 ■■■
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あなたの企業では、仕事の質のチェックをする体制がどれだけでき
ているだろうか。では、そのチェックの精度をチェックするための
仕組みはどうなっているだろうか。もしそれがないとしたら、チェッ
クの「正解」を意図的につくっておくことを考えてみよう。

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