「沈まぬ太陽」、観てきました。
03 11月 2009 | By hank in 映画評話題の大作映画、観てきました。途中で休憩が入るという、長~い映画です。
時間が長いのは、複数のテーマが描かれているからで、その分、中途半端な印象が否めません。
本来これは、巨大企業の社員としての主人公の、波乱に富んだ生涯を描いた物語だということになっています(原作は読んでいませんが、映画製作会社はそのように言っています)。その意味では、旅客機墜落事故は、企業組織の腐敗ぶりの象徴としての存在であって、この事故を描くのがメインではないはずです。
原作はどうなのかは知りませんが、映画では、この事故のシーンがかなり初めの方から登場しているため、本来描くべき映画のテーマがテレコになってしまったような印象があります。演出意図を好意的に受け取れば、事故をまず描き、その背景となっている組織の腐敗ぶりを説明していく、ということなのでしょうか。個人的には、労組委員長として活躍しながらも、僻地に飛ばされるなど、不遇をかこった主人公を襲った最後の悲劇、のような描き方をした方が、ドラマチックで効果的であったように思います。
「演出意図を好意的に受け取れば」と述べましたが、「悪意(?)」で受け取ると、観客の涙を誘い、ひいては観客動員増を狙うべく、あの有名な事故を取り上げることにしたのだろう、と推測してしまいます。(実際、事故とその後のご遺族のシーンは、涙が出ます。合掌。)
その結果、事故とその関係者の心情が、観客の心を揺さぶる対象となってしまい、主人公やその家族、そして、善玉・悪玉を含めた企業人たちの心情の動きの描写が、非常におろそかだと感じました。本来、そちらが主テーマだと思うのですが。
そこらへん、突っ込みどころがいっぱりありました。たとえば、主人公のライバル(三浦友和)はどうしてあのように堕落したのか、バラバラ状態になってしまったと娘が述べた家族はどのように立ち直ったのか、娘の縁談は結局どうなったのか(最後の方のシーンでは、無事結婚できたようですが)、労組の書記長(香川照之)が悲劇的最期を迎えるに至った経緯はどのようなものか等々、もっともっとそれらの心の動きを描いて欲しかったです。(原作を読めばわかるのかも知れず、長いとは言え、さすがにそこまでは映画に織り込めなかったのかも知れませんが)
あと、非常に(というか、いつも)気になるのが、日本映画らしい(?)大げさな演出! 事故の遺族宅で航空会社の社員同士が胸をつかんで怒鳴り合ったりとか、ノイローゼになって家の中で銃を撃ちまくったり、不正を暴かれた子会社社長が取締役会で暴れまくったりとか(^^;)。あまりにもリアリティが欠けているでしょう。それと、主人公とケニア高官との、旅客機就航を巡る会話あたりは、あまりに幼稚!(詳しく書きませんが、映画を観ればわかります。噴飯ものです。)
ということで、問題点は、
(1)旅客機墜落事故のインパクトが大き過ぎて、主人公の波乱の人生の描写がかすんでしまったこと
(2)(1)に関連して、登場人物の心理描写が不足していたこと
かと思います。
残念ながら、ツボを外してしまった大作、というのが私の評価です。
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04 11月 2009 | だめ男のだめ日記 Said:
沈まぬ太陽
「沈まぬ太陽」監督若松節朗原作山崎豊子出演*渡辺謙(恩地元)*三浦友和(行天四郎)*松雪泰子(三井美樹)*鈴木京香(恩地りつ子)*石坂浩二(国見正之)*香川照之(八木和夫)*木…